公益財団法人 東予育英会 東予学舎 東京都調布市にある男子学生寮

東京都調布市にある男子学生寮の紹介です。

 ●「酔いたんぼの戯言」(5)    5月1日  佐伯信治(第 35回)


  世の中では長い人で 9 連休という所謂「ゴールデン・ウィーク」に突入しているようでありますが、皆さんはどのように過ごされていらっしゃいますか?まさに新緑の季節、昨日の鹿児島は半袖半ズボンでも汗が噴き出すくらいの好天にもかかわらず、布団干し、家周りの草引き、風呂掃除、トイレ掃除と読書であっという間の一日でした。

 そんな中、ふと立ち寄った本屋で、やたらと目を惹く鮮やかな黄色の表紙に目をやると「あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール」というもの。手にとってパラパラとめくると、丁度見開き( 2 ページ分)で 1 ルールというもので読みやすそうなのとルールのタイトルが共感できるものばかりであったため 950 円で購入しました。

 ルールは全部で 101 。まずは、なぜ 100 ではなく、 101 なのかを疑問に思いながらもルール 1 から読み始めました。とてもこの限られた紙面では紹介しきれませんが、仕事のルールという限定されたものではなく、広く社会人として(人間として)のルールと言うことができる内容であります。この本のタイトルでは「あたりまえ」という表現があります。以降、漢字で表記します。確かに「当たり前のことを当たり前にできない」というのは誰しも多少の差こそあれ遭遇する、あるいは後になってから後悔するなどあるのではないでしょうか。しかし、それを自分で感じられる、というのは大事なことです。だって当たり前のことを当たり前と思わない(思えない)人は、そうしたことに遭遇したこと自体、時間が経ったとしても感じられないわけですから。もちろん、当たり前のことを当たり前にすることは大事ですが、全てが全て実際の行動に反映させられているかというとそれはまた難しい部分もあったりします。ただ、せめて「当たり前のことを当たり前と思える」よう心掛け、できるだけそれを行動に移せるようにしたいものです。

  小生が学舎を卒業して 20 年近くが経過しますが、当時の伊藤道男舎監もしばしば「当たり前のことが当たり前にできる人間になれ」と仰っておられました。その後、会社に入っても当たり前のことを当たり前と思っていない先輩や後輩が多くいるのは事実です。これは本人にとってもまた、同じ組織の中で仕事をする人間にとっても、はたまた社外の関係者にとっても極めて残念なことであります。

 ではどうするか。そういう人に教えてあげましょう。もちろん先輩へは言い難いので、後輩、特に入社間もない社員には積極的にアドバイスしてあげましょう。彼らにとって最も悲劇なのは、誰にも教えてもらえない、ということです。特に現代社会においては、「個」を大事に?し、他人には構わないという風潮があるとともに、注意したがゆえに刺し殺されるのではないか、ということも想像してしまいます。しかし何も誰かれ構わず(本当はそうしてあげたいが、まだもう少し生きていたいので)というわけではなく、身近な人だけにでもしっかりと注意してあげましょう。

せっかくですから、紹介されているルールの中からいくつか紹介します。

○なんでもいいからリーダーを務めよう
リーダーに向いてないと思っている人こそ、リーダーの経験が必要である。

○どんな時でも言い訳をしないようにしよう
言い訳とは、自分の失敗を隠し、自己正当化するための悪知恵である。

○人に変わってもらいたければ、まず自分が変わろう
周りに起きる出来事も、周りにいる人間も、全て自分自身の心の状態を映す影である。
自分が動けば影も動くが、影が動いても自分は動かないし、影は自身では動かない。

○出会いを大切に
成功に欠かせないのは「いい出会い」。年間平均 50 人と新たに出会っても 80 年で 4 千人の人としか出会えない。出会いの機会を広げて、それぞれの出会いを大切にしよう。

○「できません」「不可能です」「無理です」は禁句
まずはチャレンジ!壁にぶつかった時に、助言や応援を求めよう。初めからできると判っていることをやっても力はつかず、ただ要領よく手抜きを覚えるだけである。

○商品やサービスを売るのではなく、自分を売ろう
同様の商品がある場合には、(色々な意味で)魅力的な営業担当者のほうを買うはずである。そのためには常に自分という商品を磨こう。

○ギブ・アンド・ギブ・アンド・ギブでいこう
親の愛情のように見返りを期待せず、徹底的に人の相談に乗り、手助けしてあげることで自分のファンがどんどん増える。自分のファンを増やすことは、将来的な成功への足がかりになる。

結局、中途半端な 101 というルール数の謎は解けないままでした。

【参考】「あたりまえだけどなかなかできない仕事のルール」 明日香出版社 浜口直太著

以上