公益財団法人 東予育英会 東予学舎 東京都調布市にある男子学生寮

東京都調布市にある男子学生寮の紹介です。

 祈り  9月21日   園部 洋平(第46回・平成11年卒)

 祈りとは、これ程までに虚しいことでしょうか。

 尊い命が、希望が、夢が一瞬にして奪われ、残された者には悲しみと悔恨が立ちはだかり、それでも尚祈り続けるのです。
いったい何の為に?祈り続けたところで、死者は帰ってきません。ただ、「虚空のあの世で安らかに眠り給え」と祈るのみです。やがて時間が、悲しみの棘を抜き去り、平穏な日々が戻ったときに祈りが希望に変わることを願わずに居られないのです。飲酒交通死亡事故撲滅。

 先日、姫路市職員がビール・焼酎たらふく飲んだ末、車を運転し、横断歩道を歩行中の夫婦をはね夫が意識不明の重体、妻も足に軽い怪我を負うという事故がありました。

 福岡の飲酒事件の直後でもあり、ニュースで大きく取り上げられたため、ご存知のかたもいらっしゃると思います。重体の夫は、小生の高校時代の同級生という報に触れ愕然と致しました。

 昨日(9月19日)残念ながら、死亡したということです。6月に結婚したばかりの妻を残し・・。

 明日葬儀の由、眠れずに冒頭の一文を記した次第です。

 しかしながら、私こそは、むしろ加害者に近い人間です。この事件に直面するまでは、1杯位なら、警察の目にさえ留まらなければ、と飲酒、酒気帯び運転の常習者でございます。

 このニュースを知ったとき、「戦慄」という「もの」を生まれて初めて実感しました。己の愚行を振り返ったとき、上記のF君を轢き殺し、 遺族の方々の祈りを踏みにじったのは、自分だったのでは、というリアルな錯覚に囚わたのです。もの凄く恐ろしかったです。

 人間は鈍感です。近しい人間が犠牲を払って教えてくれるまで、わかったようでわかっていないのです。

 飲んだら乗るな。簡単なことです。 以上