公益財団法人 東予育英会 東予学舎 東京都調布市にある男子学生寮

東京都調布市にある男子学生寮の紹介です。

  「酔いたんぼの戯言」(10)    平成20年4月22日  佐伯信治(第 35回)

  うららかな春陽の候、皆様におかれましては益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

  前回の投稿からほぼ3ケ月、何気に「酔いたんぼ」を書き始めたものの、とりたてて話題のない日々が続いております。しかしタイトルをご覧いただければおわかりのとおり投稿を始めて今回が記念すべき(?)第10号となります。第1号を投稿させていただいたのが平成16年11月でしたから、かれこれ3年半になります。ここ4年余りは転勤が続き変化が激しかったこともあり、まだ3年半しか経っていないのか、という感じを強く持つ次第です。

 前回の投稿では、地球温暖化により初雪の観測が年々早くなっている、ということを取り上げましたが、同様に桜の開花時期も早くなっているようです。北海道の一部でも平年より約10日早く開花宣言がなされたというニュースを耳にしたばかりです。東京での花見シーズンはまだ朝晩の冷え込みがあるのと年々重症化する花粉症のせいもあり、最近は滅多に花見をすることもなくなりました。そもそも「花見」=「ドンチャン騒ぎ」ではない筈ですが・・・。

 丁度本日、山口県光市で起きた母子殺害事件の差し戻し控訴審で、広島高裁が「極刑」の判決を言い渡しました。そのための最高裁による審議差し戻しであったのであるから至極当然の判決と言えましょう。それにしても、犯行当時に18歳と1ケ月だった被告人は、9年経って27歳になっても「元少年」と実名を出さないことには違和感を覚えます。また、21人という大勢の弁護団を結成して臨んだということについても一体どういう意義があったのか不思議でなりません。小生は法律の専門家ではないので素朴な疑問です。本日までの9年間、ご主人である本村洋氏はよく頑張ったと思います。32歳という若さ(当時は23歳)で会社勤めを続けながら、大勢の報道陣を前にしてもたった一人でしっかりした受け答えをしているなぁと以前から思っていました。その内容云々の話は別として。今日の極刑判決が出ても決して「報われる」ということはないのでしょう。亡くなった母子が彼の元に戻ってくることはないのですから。

  この事件に限らず、最近は殺人事件の報道のない日がないくらい頻発しています。その中身も「無差別殺人」と「尊属殺人」という人間関係としては対極にある事件が多く発生しています。なぜこういう事件が発生するのか。マスメディアでも様々な人が意見を述べていますが、とても一言では片付けられない背景が絡み合っているものと思われます。凶悪事件に限らず、最近小生の感じていることは「人との距離感が掴めない」人が増えているのではないかということです。もちろん単純に物理的な距離感に限らず、所謂「間」の取り方というか、自分の言動が相手にどういう影響を与えるかということを事前に考えず、咄嗟に発言したり動いてしまうことが多すぎるのではないでしょうか。

  小生の好きな言葉のひとつは「思いやり」です。個々の人間が社会を構成している以上、互いに何らかの関わり(人間に限ることではありませんが)を持ちながら生きていかなければなりません。そうであれば、お互いに思いやりの気持ちを大切にして、気持ちよく過ごしていきたいと思うのは自然のことだと思います。間もなく新入社員が全体研修を終えて仮配属を迎えます。「会社人」である前に、しっかりした「社会で生きる人」であれ!を毎年同様、指南してまいるつもりです。

はてさて、自分は大丈夫かな?とりあえず酒を飲みながら考えることにしてみます。 

以上